―『3月のライオン』のアニメの第2シリーズが、3月いっぱいをもって終了しました。
河西(以下、河):毎週の楽しみにしながら、僕も見ていました。
花澤(以下、花):『3月のライオン』のアニメを見るのが、土曜日のあの時間のベストな過ごし方でしたよね。
―現実の将棋界でも、藤井聡太六段という史上5人目の中学生プロ棋士が彗星のごとく登場し、河西さんは同じ史上5人目の中学生プロ棋士である桐山零役を務める身として、ジェラシーを感じていたそうで。
河:やっぱり、『3月のライオン』という作品でやってきたこと以上のことが、実際の将棋界にどーんってきて…かぶるじゃん!って。
花:相乗効果ですよ!(笑)
―アニメの第2シリーズ開始前の特番では、河西さんは加藤一二三九段とも共演なさっていましたね。
河:すごい方ですよね。物腰柔らかなのですが、将棋のことを語り出すと止まらずにずっとしゃべっていられるような印象を受けました。引退されるときのお話とかもうかがえて、ああ、そういう感じなんだなと知れて、あれは本当にうかがえてよかったです。その後のアフレコにいかせる部分があったら使いたいと思わされました。
―新房監督からは第2シリーズのアフレコでなにかキャストさんの演技に対して、こういう風にしてほしいといったディレクションはございましたか。
花:私は新房監督から、第2シリーズはひなちゃんのターンでもあるんだよと言われていたんです。新房監督自身も第2シリーズのいじめのシーンを描くにあたって、いじめる側、いじめられる側のどちらかに偏った描き方はしたくないとおっしゃっていました。新房監督をして、この素敵な原作を自分なりにどう描こうかとすごく迷って、考えてやられているんだなというのがずっと伝わってきていたので、これは私も全力で返すしかない!と思っていました。
―共演者の方々とのお話もうかがわせて下さい。河西さんは憧れの先輩声優に、石田彰さんをかねてより挙げていらっしゃったそうですが、『3月のライオン』の第2シリーズでは、零と石田さん演じる宗谷の初対局という重要なシーンも描かれました。
河:零くんはモノローグも含めて作中でずっと喋っているので、演じていて喋ることに対しての大変さはあるんですけど、対照的に宗谷さんは喋らないし、喋ったら喋ったですごく重みのあることを言うので、それはまた違った大変さがそこにはあるだろうなって、想像でしかないんですけど、思っていました。本当にたった一言が、どうやったら、あんな風に喋れるんだろうという演技で、僕は横に立ちながら聞けて、やはり参考になるところがすごくあったんですよね。
花:私は共演する場面はなかったのですが、宗谷さんは石田さんしかいないですよね。そのままという感じがします。
河:『3月のライオン』の現場は、とても勉強させて貰ってますね、色んな人から。
―第2シリーズから、柳原さん役の大塚芳忠さんや、ガンちゃん役の中尾隆生さんといったベテランの方々にも、新たに作品に参加していただきました。
河:一言の重みがすごいですよね。でも、自分もそれに負けてもいられないし。だからちょっとまた違う立ち位置で、どの人にも負けたくないなというところもありました。