インタビュー&テキスト:
白泉社ヤングアニマル編集部・徳留幸輝
初出:ヤングアニマル2016年24号
―放送局はNHKさんですから、日本全国津々浦々の方々が同時刻にご覧いただけます。
羽:私はNHKさんの朝ドラや大河ドラマが大好きでいつも見ているので、それと同じように全国同時に放送されて、みんな一緒に見られるのがとても嬉しく楽しみでなりません。
―新房監督も羽海野さんも、朝ドラの『とと姉ちゃん』をいつもご覧になっていたそうで。
新:毎回、朝ドラは見ているんですけど、『とと姉ちゃん』は面白かったですよね。
羽:同じ3姉妹のお話だなあと思いました。あと、私は朝ドラは『カーネーション』も大好きで、DVD‐BOXも買いました。
新:僕も『カーネーション』は好きで全部録画してあるんですけど、ブルーレイが出るのを待っています。『ゲゲゲの女房』もブルーレイを買いました。『あまちゃん』も『あさが来た』もブルーレイを買ってますね。今、話していて気づきましたけど、自分でもなんでこんなに買っているんだろうというくらい結構買ってますね(笑)。
―朝ドラは数多くご覧になっているんですね。
新:とくに『カーネーション』は名作だと思います。
羽:椎名林檎さんのオープニングの曲を聴いているだけで、泣けてきます。紅白歌合戦であの曲を歌っていたのも、すごくよかったです。
新:僕もあの曲はCDを買いました。『SONGS』の椎名林檎が歌っている回も、録画してありますね。
―次の朝ドラのヒロインが実写映画の香子役の有村架純さんなのですが、以前に朝ドラのヒロインを演じられていた杏さんや波瑠さんも、『3月のライオン』を読んで下さっているそうです。
羽:杏さんはずっと読んで下さっていて、以前に単行本のプロモーションのポスターにも出ていただいたんです。波瑠さんはツイッターに『ライオン』の単行本をアップされていたのを、お見かけして初めて知ったのですが、12巻が発売されたときのダ・ヴィンチさんの『3月のライオン』特集にも素敵な文章を寄稿して下さって嬉しかったです。
新:朝ドラの波瑠さんの演技は、自分も印象に残っています。アニメも観て下さったら嬉しいですね(笑)
―先ほど羽海野さんからは大河ドラマもご覧になっているとうかがいましたが、朝ドラ以外に、ご覧になっていたものはございましたか。
新:NHKは『伝七捕物帳』を中村梅雀でドラマにしていて、あれも、父親の梅之助が民放でかつてやっていた役を、その息子が今、しかもNHKでやるのか!と思ってグッときましたね。
羽:青年誌のヤングアニマルで『3月のライオン』を描き始めるとき、担当編集の友田さんに男の人が好きなドラマ構造が分かりますよと、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』を勧められたんです。家族のない、すごく強くて頭のいい、元はいい家の出身の刀の使い手が長屋に住んで、今はもう人を斬ったりとかはしないんですけど、長屋の人が困るとまた刀を持ってしまうというお話で、孤独で強くて頭が良くて皆に慕われているのが、男の人は好きなのかと思って、零ちゃんの参考にしました。
―時代劇など、朝ドラ以外でも、お二人の好きな作品がNHKさんにはあるんですね。
羽:実写映画の方の監督をして下さる大友監督の『龍馬伝』は、とにかく映像が美しくて、いつもびっくりしながら観ていました。『利家とまつ』もまた観たいです。
新:『トットてれび』も、テレビ創世記のお話なんですけど、満島ひかりが演じていた黒柳徹子が本当にこうだったんだろうなと思わされて、あれもすごくよかったですよ。『ランチのアッコちゃん』も原作が好きだったので観ていましたが、面白かったです。
―作中のは奇遇にもアニメ化の前から、NHK杯をモデルにしたテレビ棋戦のMHK杯が出てきたり、紅白歌合戦も出てきたりしています。
羽:漫画のときは気を使ってMHK杯にしていたんですけど、アニメでそのままNHK杯と言ってよくなったので、すごいなあって2話目を見ていたときに思いました。
―井上さんもNHKさんとはご縁があって、『境界のRINNE』でヒロインの真宮桜を演じられていますね。
井:あちらの作品でも、NHKさんにはお世話になっております。だから今、私の中でNHKさんといえば『境界のRINNE』なんですけど、NHKさんとは『3月のライオン』で引き続きお仕事させていただいて、大変ありがたいです。
―河西さんは、NHKさんの番組で印象に残っているものはありますか。
河:家に帰ってきて夕方帯にテレビつけると、『忍たま乱太郎』とか『Let's天才てれびくん』が放送していて、ずっと見ていた記憶があるんですよね。だから、僕はNHKさんには、やっぱりアニメのイメージがあります。
―河西さんには、声の出演だけでなく、事前特番の『アニメのとびら』で、二海堂役の岡本信彦さんと将棋会館にも取材に行っていただきました。
河:将棋会館で実際に対局を見学したり、将棋道場で子供達同士で指している様子を見せていただいたんです。岡本くんは元々子供の頃に将棋をやっていて、道場にも通っていたそうですが、僕は将棋をしたことがなかったので、あの取材で、1人でふらっとここへ来ても必ず誰かと将棋を指せるのを、自分なりに感じられたことが、棋士としての零くんの理解に繋がったような気がします。
―あとはNHKさんに長くアニメを放送していただけたらですね!
羽:漫画の最後まで、アニメを放送していただけたら嬉しいです。私もしていただけるよう、自分の漫画を頑張ります。
井:NHKさんならきっと!