3月のライオン March comes in like a lion

Index

では、それはもう皆さんの共通認識に近かったわけですね。

加えて、シナリオ会議が始まってみて、やっぱり1話に対する情報量がすごく多い作品ということを改めて気づかされましたから。1話の中にいろんな大事なものが詰め込まれてるっていう風に思いましたよね。

要は、原作の将棋の部分と川本家との部分という2つのパートを、どういう形で脚本に、さっき言ったさじ加減みたいなところをきちんと落とし込むかどうかっていうところで、そのやりようによって、22話でもその半分の話数でも作品の流れは変わってくると思うんですけど。でも、最初の脚本会議で決めたのは、本当にもう原作に真っ向から取り組むということでした。この両方をそのままアニメに落とし込もうと今しているので、そういう意味でもこの話数はなければという感じの内容にはなっていますよね。

原作に誠実なアニメ化への取り組みの答えの1つとして、この話数なんですね。そういった取り組みの中で、新房監督やシャフトのスタッフの方々のご様子はいかがでしょうか。やはり、皆さんにとってこれまでとは違う課題や試みもあったのでしょうか。

やっぱり、新房さんも、シャフトの皆さんもそうですけど、原作に合わせて、この原作を面白いと思って、原作読者はこう感じているよね、みたいなところをすごく真剣に考えてくれていると思うんですよね。でも、羽海野さんの絵の説得力をどうアニメで再現するかっていう課題もあったと思うんですけど、最初のキービジュアルの、杉山さんのあの絵と、あとあの独特の背景の色使いと処理みたいなのを見た時に、すごいなって改めて思いましたね。絵作りというか、目指している方向がすごいなと。

僕らはタイトルによって、挑んでいくところ、テーマが変わってくるのですが、特に『3月のライオン』は、やはり我々としては、今までと違う形の手法で取り組まなければいけないとははっきり思いました。またこれまでと違う筋肉を使わなきゃいけないなという感じですかね。さっき言ったように人が戦っていくドラマを、丁寧に描かなければいけないこと。設定にリアリティが必要なこと。それを動かしていくっていうことは非常にタフなことだと思っているので、そこがまず1つ、新しい試みでした。羽海野さんのキャラクターをまずは1回キービジュアルという形で出させてもらいました→

TOP 3月のライオン連載インタビュー企画 久保田光俊[シャフト]×友田亮[白泉社]×岩上敦宏[アニプレックス]

TOP