すべては原作と世界観を合わせる
ために
けど、実はあそこもすごく試行錯誤をしていて、僕らの中でも、何度か揉んで揉んで、あの形に持っていったので、そういった意味では、羽海野さんの原作に対する僕らなりの解答というのが、1つは出せたかなあとは思っています。
その分、皆さんには違うところが筋肉痛になるような感じも、やはりありますか。
確かに、新房さんの立ち位置としてもね、今までと違った形のアプローチを作品に対してしなければいけないっていうのは、ハードな仕事にはなっていると思います。それはそれで有意義ということで楽しんでいますけれども。新房さん筆頭に、スタッフには刺激的な作品だという風に、僕は捉えています。
ところで、スタッフの方々の続報も今回ありましたが、『ライオン』に携わっていただく方々の人選は、久保田さんが決められたのですか。
だいたいのところは新房さんと僕と現場のプロデューサーの岩城忠雄とで、決めていった感じですかね。
『3月のライオン』の原作読者にご紹介がてら、スタッフの方々のこれまでのキャリアをうかがえますでしょうか。
キャラクターデザインで総作画監督は杉山延寛くんです。彼はご存知の方もいるかもしれないですけど、『荒川アンダー ザ ブリッジ』や『ニセコイ』など、非常に特徴的な絵を、上手くアニメーションに落とし込んだ技術や経験値があります。彼ならいけるんじゃないかということで、描いてもらうことになりました。
羽海野さんをして、自分が描いた絵かと思いましたというクオリティです。
原作の絵を昇華するのがすごく上手いですね。そこに、名倉靖博さんに、美術設定という形で今回は入ってもらいまして。名倉さんのキャリアとしては『とんがり帽子のメモル』や『楽しいムーミン一家』が有名ですよね。最近のところでは『メカクシティアクターズ』の絵本部分をやってもらったりとか。→