ストーリーをただ追うだけじゃいけないし、絶妙な分量なので、そのさじ加減みたいなところをどうやっていくのかが、最初の課題だったと思うんです。でも改めて読んでみると、例えば、黒ベタになってイメージシーンみたいなものがインサートされて、縦書きと横書きの文字をポエムっぽく読ませるところとかは、すごくシャフトっぽくもあるなあと感じたんです。そういうところを、新房さんと久保田さんがいけそうだなって思ってくれたら、面白いことになりそうだという気はしていましたけどね。
僕の原作に関するイメージは、登場人物達がすごく戦う漫画だというのが強くて。キャラクターはティーンエイジの人もいるし、おじさん達もいるし、女性の姉妹たちもいるけど、みんなが戦って進んでいくドラマなのが、とても魅力的だと思っていました。反面、この分厚い戦いを、アクションの戦いではない、人が生きていく戦いっていうのをアニメにしていくのが、すごく困難なことだと…。
魅力を感じて下さったからこその難しい。
そうですね。だから、それをどういう風にアニメにしていけるかは、キャラクターの造形や、新房さんの演出も含めて、僕が一番楽しみにしているところでも
あります。どういう風に演出されていくのかは、本当にこれから皆さんにも、ご覧いただければ。
これはもうちょっとくだけた質問になりますが、単純に久保田さんと岩上さんが好きなキャラとか好きなシーンも、うかがえますでしょうか。
将棋も盤上の格闘技とすら称される
好きなキャラ…どの作品でも好きなキャラとか言い辛かったりするんですけどね(笑)。三月町と六月町じゃないですけど、将棋の部分と3姉妹とのエピソード、僕は両方とも好きなんですが、やっぱり島田対宗谷戦とか、ああいうところは男の子的には上がっちゃうなっていうのはありますよね。序盤では、あそこはすごく印象的でした。
僕も立場上言い辛いポジションなんですけど(笑)、後藤がすごく好きですね。
久保田さんが後藤に惹かれる理由はなんでしょうか。
将棋を指している姿と香子と一緒にいる時と零くんに対するところと、いろんな顔を持っていますよね。すごく強い男で、悪い予感もさせて、まだ謎があって、→