羽海野さんは、花澤さんが演じられたキャラでも、ひなちゃんとは逆に大人の女性である「言の葉の庭」の雪野先生も大好きでいらっしゃいますけれど。
本当に本当に、あの映画が好きで。あれ?、私、鈍器で心を殴られたんじゃないかな?と思うほど衝撃的に面白かったです。あのときは大人っぽい格好をされていたんですか。
そうですね。あと、うまく歩けなくなってしまう人だったじゃないですか。わざと靴を左右逆に履いて、アフレコに臨んでいました。違和感がほしくて。
マリリン・モンローがよちよち歩いた方が、お尻がキュッキュッと動いて、カメラにかわいい歩き方に映るから、ヒールの高さを左右で変えていたというエピソードを思い出しました。忘れて演技するといけないからと。
花澤さんがひなちゃんを演じる上で、忘れないよう心がけていらっしゃることはありますか。
ひなちゃんみたいに自分の思っていることをそのまま伝えられることって、私達の普段の生活だとあまりないと思うんです。だから、そういう真っ直ぐさは、すごく意識しますね。
描くときはいつも、彼女は私の(ONE PIECEの)ルフィだと思っているんです。
それを伺って、確かにルフィだ!と思いました。
まだ弱いけれど、芯は強くて、やさしくて、だから零ちゃんを引っ張っていけるんだと思います。彼女まで考えすぎてしまうと、彼に巻き込まれてしまうと思って。
これまで実際演じていただいた中で、印象に残っているシーンはありますか。
お母さんを思って泣くシーンはオーディションでも演じましたし、アフレコ前にも新房監督から頼むよと言われたので、印象に残っています。プレッシャーをかけられて、燃えましたね(笑)
あのときは羽海野さんもアフレコにいらしていて、涙ぐんでいらっしゃいましたね。
花澤さんの泣く演技は、つられて泣かされます。絵で描いていた自分も、女の子がお母さんを思って泣くことは、こんなにつらいことなんだと思わされました。
香子さんと零ちゃんに対して、怒りながら歩くシーンも印象的です。あんまり人のことを悪く言わない子が、何か引っかかることがあったんだなと新たな一面が見られたところだと思うので。