今回のアニメ化でより鮮明に感じましたが、川本家の日常的な食事のシーンはこの作品にとって、将棋のシーンと同じくらい大事な要素ですね。
私自身が食べものが出てくると読んでしまうんですよ。「だるまちゃんとカミナリちゃん」とか、「ぐりとぐら」とか。子供の頃に読んだ本を思い出すと、皆食べものが出てくるものばかりだったから、きっと漫画も食べものを描いておくと、皆が親しみやすいのかなって。
12巻では表紙にも食べものが出ていますものね。
読者さんに「白玉いかがですか?」という気持ちで、描いてみました。一冊の中に、2回はごはんの場面を入れるようにしているんです。
出てくるものが全部美味しそうですよね。しかも、すごく凝ったものではなく庶民的な家庭料理で、そういう素朴な味が一番食べたいなって思わされます。
私は川本家の円卓に憧れています。まんまるだから、みんなの顔を見てお話しながら一緒にごはんを食べられるというのが、とても素敵だなと思います。
アニメ化が決まったとき、羽海野さんと3姉妹役は、食べるのが好きな人に演じてほしいとお話した記憶があります。
そうなんです。食べもの好きな人は、生命力があると思うんです。
私も食べものを持ってくるのも、持って帰るのも大好きなんです。今日も皆で食べようと思って差し入れにお芋チップスを買ってきたのですが、すごい楽しくて。新房さんも、アフレコの後はごはんは絶対食べたいっていう方ですし、この現場自体が、ごはん好きの方が多いですよね。