3月のライオン March comes in like a lion

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あんまり感情の発露のない子なので、アシタカと同じで髪の毛の動きで表現を(笑)。なびく服をまったく着ていないし、シャツもインしちゃっているので、感情を表すことが出来ない。橋の上なら風が吹くけど、将棋会館は風は吹かないですし。

でもそういう、感情が出なかったキャラクターがだんだん出ていくようになるのが、いいんですよね。

私が桐山くん恥ずかしかろうと思って、横顔で小っちゃく描いてあげていたシーンを、新房さんが(シナリオ会議で)顔アップにしましょうって(笑)。わー、大人ってひどいって思いました(笑)。男の人は同じ男の子に容赦がないなって。私は女の人なので、そういう所は無理に見たらかわいそうだから、見ないであげようと思ってロングで描いたのに。

Chapter.28のまぶしい闇、零くんが島田八段に完敗して、将棋会館を飛び出すシーンですね。

その意図がすごく分かった分、でもここは見せなきゃだめだろうと。

桐山くんのことを慮ってやったんですけど…。でも、お客さんは恥ずかしい顔を無理矢理見れたら、

話題のシーンがこちら!

楽しいかもしれません。

分かりやすさという意味でも。

やっぱり、みんな一緒になって、入り込んでほしいと思うので。

4 目の前で起きているようなアニメ

私はいつも新房さんのアニメを見ていて、感じることがあるんです。アニメでも漫画でも2種類あって、窓の外の遠くで何かが行われているなあって思って見えるものと、目の前で起きてるなあって思うものがあって、新房さんの作品はどれを見ても目の前で起きているんですよ。遠くで何かやってるなあってアニメがある中で、新房さんのは顔の前まで来て台詞を言われているような気がして。自分の漫画はそういう風に感じてもらえるように努力して来たので、それが出来る人でないと、(アニメ化を)お願いしても、遠くで何かやっている描き方にされてしまったらつらいなと思っていました。

わざと客観的に突き放すときも当然ありますけども。

TOP 3月のライオン連載インタビュー企画 羽海野チカ[漫画家]×新房昭之[アニメ監督]

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